ガリガリの痩せ型体型の人が体重を増やすといっても、その人の年齢や生活習慣によって難易度は大きく変わる。嬉しいことに20代、もしくは10代後半であれば痩せ型を改善して体重や筋肉を増やすのはそれほど難しくない。
30代や40代を超えてしまうと、いわゆる”健康的に”太ることのハードルは上がってしまうので痩せ型を克服するなら早いに越したことはないのだ。
事実、加齢によって脂肪はつきやすくなるのだが、それは”嬉しい体重増加”とは言いにくい。下記のページによると、年齢があがるにつれて体の脂肪は腹部中心、つまりお腹だけ太ってしまう(50歳以上では体幹部脂肪割合が60.4%)とのデータが出ている。
[加齢によるからだの変化|健康のつくりかた|タニタ](http://www.tanita.co.jp/health/detail/5)とはいえ、若者ならではの太りにくさの要因もある。若さゆえに太りにくいケースも十分にあり得るのだ。
今回のブログ記事では、なぜあなたが太りにくいのかその事実を知った上で、どのように体重を増やしていくのが最も効率的か、そのアプローチ方法を共有していく。
目次
10代20代の若者が太れない理由は2つしかない
「あなたが太れない7つの理由」みたいな記事をどこかで見たことがある人もいるかもしれない。正直に言うと、そうした記事のほとんどは内容が薄く参考にならない。
実際に46kgから2年かけて20kg増量したことがある自分がそういった記事を読むと、表面的な知識しか書かれていないので、「これは増量経験者が書いた記事ではないな」とすぐに分かってしまう。
というのも、究極には痩せ型の若者が太れない理由は2つしかないのだ。朝食がどうとか、肉を食べていないとか、運動をしていないというのは枝葉末節なテクニックに過ぎない。
ここでは試行錯誤しながら失敗もしてきた経験者の視点からみる、根本的な2つの理由を一つずつ丁寧に説明していく。
原因1:基礎代謝が高く運動量も多いため消費エネルギーが多い
若者が太りにくい問題の一つ目は消費エネルギーにある。人間に脂肪や筋肉などの肉がつくかどうかは多くの場合、摂取カロリーが消費カロリーを上回るかどうかによるもの。
データでも示されているように若者はそもそもの①基礎代謝が高い点、そして②運動量が多い点から太りにくい環境にあることが多い。
①の基礎代謝量については一般的に若者がもっとも高く、歳をとるにつれて落ちていくため、他の年代と比べると比較的若年層hが太りにくいと言える。
注目すべきは②の運動量について。もしあなたが体育会系の部活動やスポーツを普段から行なっているならもちろん、それが元となってカロリー消費が大きくなり、消費優位による体重減少が起きやすいのだが、普段スポーツをしていない人でも運動量が高いことはあり得る。
例えば通勤、通学。日常的な移動や動作でも有酸素運動はその時間が長ければ長いほど消費エネルギーが大きくなるため、自転車通勤・通学や長距離の移動を日常的にしている人は消費エネルギーが大きくなりやすい。
これは立ち仕事でも同様である。どんなに些細な動作であってもそれが継続することでエネルギー消費が生じるため、営業での外回り、バイト、徒歩や自転車での通勤・通学が多い若年層はそれだけカロリーを消費しやすい環境にあるのだ。
ここでその消費分のカロリーを補えるだけの栄養が取れていれば問題はない。しかし痩せ型の若者は次に紹介する理由もあってか、食事量が少ないこともあって痩せ型に陥りやすい。
原因2:食事の優先順位が低いのでエネルギーを十分に取れていない
痩せている若者に共通しているのが食への関心の低さだ。これはまさに昔の自分に当てはまる点。
- 朝寝坊したせいで朝ごはんとお昼ご飯は兼用になっている
- ご飯を食べるよりも他にやりたいことがあるので栄養が取れるなら何でもいいと思っている
- カロリーメイトやウイダーinゼリーを飲みがち
- 1日3食をしっかりと食べることが少ない
- 飲み会が続いていてしっかり夜ご飯を食べることが少ない
これらに当てはまるような「食への無関心」が痩せ型を量産している原因の一つだ。
幸か不幸か、自分たちの世代では①努力しなくても簡単に栄養摂取ができるようになったため、そして②食よりも関心の強いもので社会が溢れているために、食の優先順位を低くする若者が増えてしまった。
もちろんサプリや栄養補助食品だけで満足に栄養が摂取できるわけがない。普通の20代男性であれば1日に必要なエネルギー量は少なくても2500kcal前後は必要だろう。
しかしエネルギー計算や三大栄養素のカロリーなどの基礎的な知識が欠落しているために、「とりあえず夜ご飯をたくさん食べておけば大丈夫、実際今のところ体の不調はない」というような将来的なリスクを知らない人が増えてしまっているのだ。
不安定で不規則な食生活にいいことは一つもない。
「何をどれぐらいの量を食べればいいのか」
この点だけでも理解しておかないと数年後、十数年後に後悔する人は続出するだろう。
遺伝や体質はほとんど当てはまらない
以上の2点、①消費エネルギーが多いこと、②食事から十分なエネルギーが取れていないこと。
この2点が若年層の痩せ型を作る大きな要因だというのが自分の主張だ。しかし人によってはこう言うかもしれない。
「自分の場合は体質的に太れない家系なので大食いをしても無理です。」
これはよくある誤解の一つ。詳しくは別のページで解説しているのでそちらを参照してほしいのだが、端的に言うならば、
「十分なエネルギー摂取を1ヶ月続けた後にもう一度同じことを言ってほしい。」
結局のところ、痩せ型が体質だと言っている人の多くは実際に増量を経験したこともなしに、数回の大食いだけで太れると思っている節がある。でも、実際は数回の食事改善では体は変わらない。必要なのは1ヶ月や2ヶ月単位の食事方法改善なのだ。
改善策は1ヶ月継続的にカロリー摂取を行うこと
痩せ型から普通体型になるだけなら、なにもジムに通う必要もないし、プロテインを飲む必要もない。ましてや大食いをしまくることさえ要らない。
必要なのは自分の必要エネルギーを知った上で、その分のカロリーを継続的に摂取すること。
例えば身長170cmの痩せ型なら、毎日2700kcal±300kcalの栄養摂取を1ヶ月続ければ、これまで無理だと思っていた体も間違いなく変化する。
ただし、胃腸が弱い人なら整腸剤をセットで飲んだり、少食の人なら食事量を分割して1日3食を6回に分けるような工夫は必要となる。この点に関してはテクニック論なので、一番大事なのはカロリーを取ることに他ならない。
そして継続すること。どんなにモチベーションが高くても2、3日で辞めてしまう人は多い。でも、2、3日で体は変わらない。
勉強と同じで最初は手応えのない無謀とも思えるような内容でも、しばらくやっているうちに出来るようになるものなのだ。普通の環境で育った人の中で初めからアルファベットをスラスラ言える日本人はほとんどいない。だからと言って2、3日で辞める人はいないはずだ。
カロリー摂取とそれを継続すること。最低限これさえ守れていればほぼ全員が痩せ型を抜け出すことは可能だ。
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