痩せ型の人が太れない理由として免罪符的に使いがちなセリフが「自分は代謝がいいから太れない」という言葉。
- どんなに食べても代謝がいいから太れないんだよね
- すぐに体が食べ物を燃焼しちゃって体に肉がつかないタイプなんだ
- 自分は汗っかきだから代謝がいいんだよね
痩せ型の人が言うこうした発言は全部間違っている。
代謝が高いというのは本来、ガリガリの人とは両立しない言葉なのだ。
代謝とは筋肉量・体重・身長に比例するもの。身体が大きければ大きいほど基礎代謝は上昇する=代謝が良くなる。
つまり、痩せ型が「代謝がいい」と言うのはおかしな話ということ。
このページでは、「代謝がいいから肉がつかない」の誤解を説明していきたい。
目次
代謝は身体が大きければ大きいほど高くなる
一言にまとめると、代謝がいい=身体が大きいである。それはなぜか。
世間一般の人が「代謝がいい」や「代謝を上げる」といったときに「代謝」が意味するのは基礎代謝のこと。
基礎代謝というのは、体が運動を何もしていない状態でも1日に消費するエネルギーの量を意味する言葉。
例えば、Aくんの基礎代謝は1500kcal、Bさんの基礎代謝は1300kcalといった具合に、人によって基礎代謝は異なる。
自分の基礎代謝を知らない人は下記のページを参考に。
体重や身長を入力すれば一発で自分の基礎代謝が何キロカロリーなのか分かる。

では、なぜ人によって基礎代謝が違うかというと、基礎代謝というのは体の大きさ(身長・体重・筋肉量など)によって変化するから。
身体が大きく重たければ基礎代謝は高くなり、身体が小さければ基礎代謝は低くなる。
考えてみれば当たり前だ。体の大きな人はその体を維持するために普通の人よりも大きなエネルギーを必要とする。
例えば、
- 50kg台前半のガリガリ男子
- 90kg台のレスラー
だと明らかに基礎代謝はレスラーの方が高い。
「基礎代謝が高い」=良いことというイメージも不思議なものだ。
代謝が高い=必要なエネルギーが多いわけなので、必然的に食事量は多くならざるを得ない。それが幸せかどうかはその人次第である。
痩せ型なのに代謝がいいのはあり得るのか?
@hardgainer_GT
代謝がいい=エネルギーを消費しやすいと誤解している人も多い。痩せ型の人が太れないと思っているのは体がすぐにエネルギーを消費してしまう燃費の悪い体だからではなく、食べているつもりでも総摂取カロリーが足りないからといった理由がほとんど。
結論から言うと、痩せ型体型で基礎代謝の高い人はほとんどいない。
基礎代謝の計算式として一般に使用されるハリス-ベネディクトの式(体重、身長、年齢をもとに計算する式)から考えてみても、痩せ型で代謝が高いのは超高身長の痩せ型ぐらいだろう。
身長170cm、あるいは180cm前後でガリガリなのに基礎代謝が高いというのはあり得ないわけだ。
つまり、冒頭で登場したような痩せ型の人がよく口にする下記のようなセリフ、
- ガリガリなのに代謝がいい
- 代謝がいいから太れない
- 代謝が良すぎて肉がつかない
これらは全て誤解、あるいは思い込みに過ぎない。
トップクラスの長距離選手ならあり得る
一部例外はある。それはマラソン選手や駅伝選手のようなトップクラスの長距離選手たちだ。
彼らは見た目こそガリガリに見えるが、それは無駄な脂肪を完全に落としているからこそ。脂肪がないからガリガリに見えるだけで日々の辛いトレーニングを経験している彼らには長い時間戦えるだけの筋肉がついている。
これは長いラウンド戦うことが多いボクサーにおいても同様だ。こうしたプロのスポーツ選手なら「ガリガリ(に見える外見)なのにムキムキ」は成立する。
でも、あなたはプロのスポーツ選手なのだろうか。というのがここで提示したい疑問である。
腹筋が出てるから筋肉があるわけではない
痩せ型なのに代謝がいいはあり得ないと言ったところで、
- 自分は痩せ型だけど細マッチョなので筋肉はある
- 腹筋が出ているので筋肉はある方だ
と思っている痩せ型がいたら、こう言いたい。
- 「それは筋肉があるのではない。脂肪がなさすぎて筋肉が浮いているだけだ。」
かつての自分もまさにそうだった。身長170cmで体重46キロだったものの、運動はできる方だったし、走るのも好きだったので自分のことを細マッチョと思っていた。
でもそんなことはなかった。ガリガリの痩せ型で筋肉があるといっても、それは脂肪がないから表面に細い筋肉が浮き出ているからにすぎない。
汗っかき=代謝がいいではない
@hardgainer_GT
たしかに汗をかく行為=発汗にエネルギーは使われるものの基礎代謝との関連性はない。汗っかきは体型とはまた別の問題。
もう一つ、あなたを誤解させてしまうフレーズに「代謝がいいから汗っかきなんだよね」がある。
しかし残念なことに、基礎代謝と汗っかきとはなんの関連性もない。
汗っかき=代謝がいいのならば、肥満の人だって汗っかきだ。発汗のシステムは体を冷却しようとする機能にすぎない。
発汗量と基礎代謝の高さ=体の大きさは別物なのだ。
基礎代謝を悪くすれば太れるわけではない
同じように、基礎代謝が高くて太れないと言っている人は、
「基礎代謝を悪くすれば自分は太れるようになる!」
と勘違いしてしまうことがあるらしい。
これは完全な悪手である。そもそも基礎代謝は低ければ低いほど体にマイナスの影響をもたらす。あなたが太れないのは代謝がいいからではなく、もっと他に理由があるのだ。
詳しくは次のページにまとめているので見てほしい。

基礎代謝を悪くするということはすなわち体力を落とすということなので、やってはいけないこと。
この考えは代謝についてよく理解していないからこそ生まれる考えなのだと思う。
代謝を上げるには体を大きくする以外ない
以上、簡潔に要点をまとめると次の通りだ。
- 代謝とは基礎代謝のことである
- 基礎代謝は体が大きいと高くなる
- 代謝がいい=体が大きい
- ガリガリで代謝がいいはあり得ない
- 痩せ型の人が太れない理由は代謝の良さが原因ではない
- 汗のかきやすさと代謝には因果関係がない
痩せ型の人が太れないのは代謝の高さではなくもっと他に理由がある。
世間の人が誤用している「代謝がいい=太りにくい」は間違いなので、あなたがガリガリから変わりたいなら正しい増量メソッドで体重を増やす必要がある。
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